リステーキングとは
リステーキングとは、すでにステーキングされているETHを、ほかのサービスの担保としても使うことです。追加の報酬を得る代わりに、ステークを失う道も増えることを受け入れます。このレッスンでは、その考え方と、注意が必要な理由を説明します。
考え方
ステーキングされたETHは、イーサリアムの安全を守っています。バリデーターが正しくふるまうのは、失うものがあるからです。
ほかのサービスも、同じような安全性を求めています。たとえば価格オラクル、ブリッジ、データネットワークです。ステーキングされた価値の蓄えを一から作るのは、時間もお金もかかります。リステーキングを使えば、すでにステーキングされたETHの安全性を借りられます。
このための最も知られた仕組みがEigenLayerです。
関わる人たち
- リステーカーは、ステーキングされたETHや、レッスン48のリキッドステーキングトークンを、リステーキングのコントラクトに預けます。
- オペレーターは、追加のサービスのソフトウェアを運用します。リステーカーは、自分のステークをオペレーターに委任します。
- サービスは、仕事が正しく行われたときに、オペレーターとリステーカーに報酬を払います。EigenLayerは、これを自律型検証可能サービスと呼んでいます。
追加の報酬の代償
サービスはそれぞれ、独自のスラッシング条件を定めます。オペレーターがそれを破れば、そのオペレーターに委任されたステークがスラッシングされることがあります。EigenLayerのドキュメントは、スラッシングは「資金の焼却や損失につながる」と簡潔に書いています。
つまり、同じETHが、一度にいくつもの約束を支えることになります。
- イーサリアム自体のルール
- オペレーターが参加している、追加の各サービスのルール
そのどれか1つでも破れば、ステークの一部が失われます。
ここで大切な点が2つあります。ドキュメントは、リステーカーは自分のオペレーターがどのサービスを運用しているかを考慮すべきだと述べています。それが、自分がどんなリスクを負うかを決めるからです。また、サービスによるスラッシングは「客観的に帰属できるものである必要はない」とも述べています。つまり、必ずしもブロックチェーン上に記録された証拠に基づくとは限りません。あなたは、各サービス独自の手続きを信頼していることになります。
層の上に層
リステーキングは、さらに包み直されることがよくあります。リキッドリステーキングトークンは、stETHがステーキングしたETHの受領証であるのと同じように、リステーキングしたポジションの受領証です。そのトークンが、今度は融資の担保に使われます。
よくある連鎖の層を数えてみましょう。
- ETHをプールでステーキングする。
- プールのトークンをリステーキングする。
- リステーキングしたポジションの受領証が発行される。
- その受領証を担保に借りる。
- 借りたお金でさらにETHを買い、また最初に戻る。
どの層にも、独自のコントラクト、独自の管理者、独自の失敗の仕方があります。土台で起きた問題は、その上のすべてに及びます。国際決済銀行は、借りた資金を担保として使い回す、DeFiのまさにこのパターンに警告を発しています。
その報酬に見合う価値はあるか
追加の利回りは、追加のリスクへの対価です。タダで上乗せされるものではありません。
レッスン44の質問をしましょう。
- 誰が払っているのか? 実際の利用者と収益があるサービスか、預け入れを集めるために作られた報酬トークンか?
- 何でスラッシングされうるか? 自分のオペレーターはどのサービスを運用していて、その条件は何か?
- どう抜け出せるか? リステーキングしたポジションには、イーサリアムの待ち時間に加えて、独自の待ち期間があります。
- すべての層を理解しているか? そうでなければ、利率は問題ではありません。
ETHを長期で持つほとんどの人にとっては、普通のステーキングのほうがシンプルで、リスクも見えやすいでしょう。
リステーキングをすると、ステーキングしたETHがスラッシングされる道が新たに増える?
リステーキングの報酬が高いのは、同じステークが追加の約束を支えるからです。層が1つ増えるたびに、失敗しうるコントラクトとルールが1組増えます。利率を追いかける前に、層の数を数えましょう。
出典
- EigenLayer docs: Overview
- EigenLayer docs: Slashing
- ethereum.org: Staking
- Bank for International Settlements: DeFi risks and the decentralisation illusion
2026年10月10日にこれらの出典と事実を照合済み。
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