いくら投資するか:リスクとポジションサイズ
暗号資産で最も大切な判断は、どのコインを買うかではなく、いくら投じるかです。金額を正しく決めておけば、悪い結果になっても乗り越えられます。このレッスンでは、その考え方を紹介します。あくまで学習のための内容で、個別のアドバイスではありません。
最悪の場合から考える
規制当局の出発点は一致しています。
- 英国の金融行為規制機構(FCA):「投資したお金をすべて失う覚悟が必要です」。
- EUの金融規制当局は、多くの暗号資産を「非常にリスクが高く投機的」であり、「ほとんどの個人消費者には適さない」としています。
ですから、問いを逆にしてみましょう。生活を変えずに丸ごと失っても大丈夫な金額はいくらか? その金額が上限です。
まず基本から
暗号資産は、基本を整えたあとに考えるものです。
- 生活防衛資金。 予定外の出費に備えて、安全ですぐ使える場所に置いておくお金。
- 金利の高い借金。 クレジットカードの借金を返すのは、確実なリターンです。そんなリターンを約束する投資はありません。
- 長期の貯蓄。 年金の積み立てや、分散された投資。
数年以内に必要になるお金を、数か月で半分になりうるものに入れてはいけません。
貯蓄に占める割合で決める
コインの数ではなく、割合で考えましょう。かつてビットコインがそうだったように、暗号資産が80%下落したとします。
| 貯蓄に占める暗号資産の割合 | 貯蓄全体への影響 |
|---|---|
| 2% | 1.6%減 |
| 5% | 4%減 |
| 20% | 16%減 |
| 50% | 40%減 |
割合が小さければ、暴落もちょっとした不快感で済みます。大きければ、危機になります。誰にでも当てはまる正解の割合はありません。正しいのは、80%下がるのを見ても夜眠れる割合です。
借りたお金で買わない
借りたお金やレバレッジ取引は、損失を何倍にもします。レバレッジをかけると、ほどほどの値動きでもポジション全体が吹き飛ぶことがあり、米国の規制当局は、投じた以上の額を失うおそれがあると警告しています。現金で払えないものは、借金でも払えないのです。
買う前にルールを書いておく
価格が揺れている最中の判断は、たいていうまくいきません。次のことを書き出しておきましょう。
- 投じる上限額。金額と、貯蓄に占める割合の両方で
- どう買うか。たとえば毎月(レッスン16を参照)
- 価格が半分になったらどうするか
- 価格が2倍になったらどうするか
そして計画に従います。最も大きな損害をもたらすのは、損を取り返そうとお金を追加することと、他人が儲けているからと買い増すことの2つです。
暗号資産の中での配分
暗号資産の中でも、配分は大切です。小さなコインはビットコインやイーサよりリスクが高く、ミームコインはさらに高リスクです。投機的な部分は、すでに使ったお金だと考えるのも、1つの妥当なやり方です。
専門家に相談すべきとき
あなたにとって金額が大きい場合や、状況が複雑な場合は、手数料ではなくあなたが報酬を払う、資格を持ったファイナンシャルアドバイザーに相談しましょう。
貯蓄の10%を暗号資産に入れていて、暗号資産が50%下がった。貯蓄全体はどれだけ減る?
資産を選ぶ前に金額を決めましょう。暗号資産は、すべて失っても困らない割合の貯蓄にとどめ、落ち着いているうちにルールを書いておきましょう。
出典
- UK Financial Conduct Authority: Crypto, the basics
- European Securities and Markets Authority: EU financial regulators warn consumers on the risks of crypto-assets
- US Consumer Financial Protection Bureau: An essential guide to building an emergency fund
- US Commodity Futures Trading Commission: Understand the risks of virtual currency trading
- bitcoin.org: Some things you need to know
- Wikipedia: History of bitcoin
2026年10月8日にこれらの出典と事実を照合済み。
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